「置き畳」で飾ってみよう!
埼玉県畳技能士会- ・(1)仮止め用まち針(2本)
- ・(2)畳表が張られたボード 1個
(約30cm×約20cm) - ※畳縁、畳縁下紙、縫い針・糸が取り付けられています。
- ・(3)すべり止め用裏シート
- ・(4)面面テープ(8枚)※裏シートにはってあります
- ・(5)縫い糸(返し用・約1m×2本)
- ハサミ(糸切用)
注意
けがを絶対しないように、気をつけて、ゆっくりやりましょう。
必ずお父さんやお母さん、大人と一緒につくりましょう。
-
畳表のはられたボードを用意します。
長い辺に畳のヘリとヘリ下紙も既に取り付けて、最初の針通しもしてあります。 穴がいくつもあいています。
平刺し(縁つけ)から行います。表側の「ヘリ」を右から左へ縫っていきます。
すでに糸が通してある穴から2つ先の穴に針を刺して糸を通します。
裏側に糸を通したら、1つ飛ばした穴に戻って針を刺して表向けて糸を通します。そのとき、さきほど縫った表側の糸を手前に引き寄せて、針を表にとおします。表にとおしたら、縫い目の手前から下に針をくぐらせて、たるみが出ないように強く糸を左右に引っぱります。これが基本の工程です。 あとは、同じように2つ先の穴に針と糸を通していき、同じ工程を繰り返します。
最後の穴まで通して、糸を引っぱったら、もう一度、最後の穴に表側から針と糸を通します。 -
ひっくり返して裏面にします。「とめ縫い」を行い、しっかり2回結びます。
右端の縫い目を中心に針の糸で右回りに輪っかをつくり、針を手前から輪っかの糸の上を通って中心の縫い目の糸の下をくぐらせ、また輪っかの糸の上を通って強く左に引っぱります。
もう一度、針を縫い目の糸の下をくぐらせて、針の糸の上を通って強く左へ引っぱります。糸が締まった糸から針を抜きます。
※「とめ縫い」のやり方は、動画でよく確認してください。 -
ひっくり返して表面にします。 へり下紙をしっかり手前に折ります。次に「へり」を手前から裏にかぶせるようにしっかり折ります。しっかり折れたら裏側で待針をつかって「ヘリ」を固定します。
両面テープ(すべり止めシートにはってあるもの)で、「ヘリ」のはしっこ(飛び出た部分)をはりあわせます。この時、ズレないように「ヘリ」のはしっこがきれいに揃うようにはってください。少しかたく付きにくいかも知れないので、力を入れてはってください。
-
次に、裏側の「ヘリ」を縫うために糸をつなぎます。
約1mの糸を用意し、針の穴に糸を通します。針に糸が通ったら、輪を作って、表の「ヘリ」を縫ってきた糸のはしを輪っかに通してきゅっと引っぱり、1本の糸にします。
※つなぐ糸(約1mの糸)には、作業しやすいように輪っかが作られています。
※動画でよく確認してください。
畳の裏側を『返し縫ぬい』していきます。
待針をつかって、折り返した「へり」を先ほど糸をつないだあたりで固定します。 -
次に、裏側の一つ一つ縫い目の糸に針の糸をひっかけて、「へり」と本体をとめていきます。
右端の縫い目の糸の真ん中あたりを目安に、「ヘリ」のはしっこから3mm位のところに針を刺して、縫い目の糸の手前から糸の下に針をくぐらせて糸を通し、しっかりと引っぱって「ヘリ」がたるまないようにしましょう。これが基本の工程です。
あとは、同じように隣の縫い目の糸に針の糸をひっかけていき、同じ工程を繰り返します。
※「ヘリ」が浮いてしまうようであれば、中心にまち針を刺すとやりやすいですよ。
最後まで行ったら、同じところを2回針と糸を通し、しっかりと引っぱります。
次に、先ほどと違った「とめ縫い」を行います。
針をもう一度手前から左端の縫い目の糸と本体の間にくぐらせ、途中で止め、針に糸を二重にからませて針を抜き、とめます。そして糸を切ります。
※「とめ縫い」のやり方は、動画でよく確認してください。 -
次に、「へり」のはしっこ(飛び出た部分)を両面テープではって止めます。
止め方は、はしっこの裏側の「ヘリ」の模様の見えている部分に両面テープをはって、底面の方に折り曲げて、はります。
折り返して底面にはる時、少し内側へ引っぱるようにはっていきます。これは畳の角がきれいになるようにするポイントです。 -
はり終わって角の部分が浮いていたりしないか確認し、つまようじか針で角になって織おり込まれた部分を押し込みきれいな角をつくっていきます。
これで、片側の「へり」は終了です。
反対側の「ヘリ」も最初から同じ工程を繰り返して、縫っていきます。
針の穴に糸を通して始めてください。
もう片方の「へり」も終わったら、もうすぐ完成です。 -
最後に「すべり止めシール」を準備。
ボードの底面よりひと回り小さいサイズになっています。
シールをはがす前に、底面に一度あてて、はる位置を確認しましょう。位置が確認できたら、裏面のシートをはがして、しっかりとボードにはりつけましょう。 力をいれて、グイグイと押し付けてください。 -
みなさん、お疲れさまでした。完成です!
畳で使われているい草の香りでいやされながら、好きなものを乗せて机に飾ってみてください。
畳製作
畳は、日本の風土に合った伝統的な床材として、長い歴史があり、日本の建築物の変遷に伴い、各種のサイズ・柄・色があります。近年は、機械による製造が主流ですが、機械仕上げをする場合でも手仕上げによる技能の重要性は変わりません。「畳製作職種」は、畳の製作、敷込み及び修理に必要な技能・知識を対象としています。
(左)会長の松本 芳光さん
(右)顧問の石井 朋昌さん
- 埼玉県畳技能士会はどんなことをしているの?
- 国家検定に合格した畳技能士の集まりです。
若い職人さんの育成や国家検定受験者への指導や試験のサポートを行っています。
また、技能グランプリに出場する選手の指導なども行っています。
埼玉県内の学校を訪問し、ものづくり体験教室を開催し技能を伝えることも行っています。
- どんなお仕事をしているの?
- 畳屋なので、個人のおうちにうかがって、和室にある畳の寸法にあわせて畳をつくったり、
古くなった畳を交換したりしています。
また神社やお寺にある畳づくりや儀式で使う畳づくりの仕事もしています。
- どんなひとがこの仕事に向いていますか?
- 器用・不器用は関係なく、コツコツとやっていける人は向いてるかと思います。
努力をする人は、職人として向いていると思います。
素直に、先輩のいう事を聞いて一生懸命努力できる人も向いていると思いますね。
- このお仕事をしていてうれしかったことはありますか?
- お客さまが、喜んでいただけた時、自分なりに納得の仕事ができた時は、うれしいですね。(会長)
お客さまが、またお仕事を頼んでくれた時は、うれしいですよ。(顧問)
- 未来の匠たちへひと言。
- あきらめず、きびしく取り組むことで現代の名工(卓越した技能を持った職人)に選ばれたりします。日本の文化である畳を、一緒につくっていきましょう!(会長)
一生懸命に努力して、自分に納得できる仕事ができる職人というのをぜひ、目指してみてください!(顧問)
小さいお子様がかなづち、カッター、ハサミ、針、アイロンなどを使う場合には、必ず保護者の方がサポートしてください。